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ネットいじめ
(更新:2007年9月)

子どもたちが巻き込まれるネットトラブルを考える第2弾。「親が子どものインターネットに関心を持とう」では、主に悪質なサイト運営者やメール発送業者との間でのトラブルを考えましたが、今回は、被害者も加害者も子どもたちの場合を考えます。同世代でつくりあげたネット内の“彼らの居場所”で、いったい何が起こっているのでしょう。

T困った   マナちゃんは、「ネットいじめ」という言葉を知っているかな?

Mたいへん   うん。残念ながらよく知ってるよ。仲良くしていたはずの何人かの友だち同士でメールのやりとりをしていたけれど、なんか雰囲気悪くなって、たとえばA子ちゃんだけがグループを抜け出したとするでしょ。仲良し時代にみんなでキャッキャッと書いていた誰かの悪口を持ちだして、「A子が誰だれさんのことをこんなふうに悪く言っている」と、さらに悪質な悪口に書き換えてプリントアウトして、学校中にばらまかれたなんて話を聞いたことはあるしね。あと、仲いいはずの子から急にメールでひどいこと言われだしたりね。

T困った   そうかぁ。よくあることなんだね?

Mてへ   う、うん。

A子ちゃんをいじめた人は特定しようとすればできるかもしれません。また、大袈裟になっていたとしても、誰だれさんの悪口をA子ちゃんが書いたという事実も存在しました。マナちゃんがあげた2つの例は、「誰によって行われているいじめ」なのかがつかめる例で、「ネットいじめ」と「現実社会でのいじめ」が合体した例であるともいえます。しかし、純粋な「ネットいじめ」の最大の特徴は、誰のしわざかわからないこと。犯人が誰かわからずにいじめられている気持ち悪さは大きな恐怖でしょう。

インターネットの掲示板や学校の裏サイト(※)、ブログ、チャットなどに誹謗中傷を書かれる。誹謗中傷目的で実名や個人を特定できる情報、顔写真などを出される

本人になりすまして、個人情報や本人にとって不利益となる情報を流される

携帯電話のメールなどで悪口などを流される

自分宛に差出人を詐称した攻撃的なメールが届く

噂やあらぬ話を広められる、死ねといった言葉や脅迫めいたこと、侮辱的な言葉を書かれる―、こうしたことがネット上で行われるのが「ネットいじめ」。子どもたちの間だけではなく、実は大人社会でも起こっていることでもあるのです。

Tアイコン   ネットいじめは、実社会で知っている人がいじめる側にいることが多いいじめです。しかし、たとえば自分のブログなどで知り合った、実社会では見ず知らずの相手から、意見や価値観の相違がきっかけで対立し、ネットストーカー的被害を受けることもあるでしょう。これも「ネットいじめ」の一つといえます。

Mたいへん   いじめられているってなかなか親には相談できないよね。それがネットいじめの場合、告白することで「PCはもう使わないでおきなさい」と、インターネットをできなくされたり、ケータイも取り上げられたりするかもしれないでしょ。そう思うとますます言えないよ。それとね、自分でさえ「誰にいじめられているのかわからない」んなら、どうせ親に言ってもムダって思っちゃうんだよね。

Tアイコン   エゴサーチ」という言葉をご存じでしょうか?自分の名前でWeb検索してみることをいいます。知らないところでヘンな誹謗中傷を流されていないか、自分に限らず、子どもの名前、家族の名前で定期的にWeb検索することをおすすめします。

前述したように「知っている人」からいじめられているはずなのに、その人を特定しづらいのがネット環境でのいじめ。誰かわからないハンドルネームを使って行う場合、いじめるほうは自分だとバレない限り、何を言っても平気とエスカレートしがちです。

また、実社会では、肉体的被害を伴う暴力によるいじめの場合は、体力の勝っているほうが弱いものをいじめることが多いのですが、ネットいじめでは力の強い・弱いは関係ありません

「ネット」という環境下では、悪口が短時間で多くの人に広まりやすいということも特徴になります。また、一度出回ってしまうと、コピーしていろいろな掲示板などに貼り付けられ回収が不可能となり、ネット上に残ります。

物理的な学校敷地内でなく、ネットの中で起こっていることとして、学校側にとっては管轄外ともいえ、対処しにくいとも言われています。

学校から帰ってくるなり、自分の部屋にこもってインターネット。PCを使って勉強をしているのかもしれないし、ネット上で仲間を見つけて楽しくチャットやゲームをしているのかもしれないし、興味あることをネット検索しているだけかもしれません。

Tアイコン   だからといって放っておくのではなく、注意深く見てあげてください。

学校だけでいじめられてしまっているなら、家に帰ってくればそこはいじめの及ばない安心できる場所であるはずです。でも、ネットの中にもいじめが追ってきていたら、子どもは、どこにいても気が休まることがないことになってしまいます。家にいてもいじめが続いている状況下にいるのです。

苦しそう、不安そう、動揺している、悲しそう。ビクついている。表情が訴えていないか

家の中で突然誰かに怒りをぶつけたり、弟や妹をいじめ出したり叩いたりしていないか

話しかけても上の空だったり、学校や友だちの話題を避けようとしていないか

外に遊びに出ることが減り、その分PC利用が長くなっていないか

眠れてなさそうとか、食欲が落ちているみたいだとか、見て取れる身体的な不調はないか

Tアイコン   もちろん、これらのことがあてはまるからといって、「ネットいじめ」に遭っていると直結できるものではありません。子どもの様子がおかしいと気づいても、それまで、子どもが日々のできごとをオープンに話せる家庭でなかった場合、急に「なんでも話しなさい」と持ちかけたところで彼らはそうそうオープンになれるものではないでしょう。とはいえ、何か悩んでいそうだと気づいたら、どうせ言ってくれないだろうではなく、しっかり「味方」として聞く姿勢を見せてあげてください。もし、いじめに遭っているとしたら、一緒に解決策を見つけていくと約束してあげてください。

Tアイコン   なんでも話してきた家庭でなかったとしても、「インターネットの利用の仕方」といったことに関しては、親がイニシアチブをとって決めて当然ですから、たとえ“急に”でも、「わが家のルールを決めよう」と、こと細かく話し合う機会を設けていいのではないでしょうか。

ひらめき   インターネットの安全な使い方をルール化するには、親がまず「インターネットを子どもが安全に使うにはどうしたらいいか」をしっかり学ぶことが大事です。お子さんの年齢にもよりますが、子どものほうがPCに詳しいからと、野放しにしていると、子どもは、そうした親には「ネット上での困りごとを話しても意味がない」とあきらめてしまうでしょう。

たとえば、「一人でネットにアクセスしない」「利用時間を制限する」「親が望まないサイトにはアクセスさせない」といった決まりごとを作るために、それを実現する「フィルタリング」という技術があることも親が知っておくべきことでしょう。

▼参照ページ
フィルタリングという守り

i-フィルター」には、家族のインターネット利用状況を確認したり、アクセス禁止サイトを設定できたり、インターネット利用の制限時間を設けることもできます。

Mはてな   まったく知らない人のブログを見ていて、たとえば自慢めいたことを載せていたとしても普通に読めるんだけど、学校の友だちとしてリアルに知っている人が、等身大以上の自分を出していたりすると「イヤな感じ」に映ることってあるよね。それがクラス中で話題になったりして、いじめにつながることもあると思うの。

Tアイコン   そうだね。ネットストーカー対策でも触れたけれど、いじめにつながるかもしれない写真や個人情報を掲載することは危険だね。こうしたことも親御さんが教えてあげてください。

Tアイコン   また、深刻に悩んでいる子どもに「そんなの無視、無視」「ほっときゃいい」といった気休めを言わないことも大事です。

ひらめき   ネットいじめは警察が事件として捜査することもあります!一人で悩まず相談できる機関があることも知っておきましょう。

▼警察庁 インターネット安全・安心相談

▼いじめ問題相談機関情報 (教育情報ナショナルセンター)

携帯電話で利用できるインターネットの掲示板に、自分たちが通う学校のサイトをいつの間にか誰かが立ち上げている。それが「学校裏サイト」。中高生の間で急速に広まり、そこがいじめの温床にもなっているのはよく知られています。生徒間でサイトのURLを携帯電話で転送し合っているので、公に探そうとしてもすぐには行きつけないようです。

生徒の実名をあげて誹謗中傷する。「祭り」と称して個人攻撃を激化させる。エスカレートして盛り上がることを“ストレス発散”の手段だと思っている子どももいるようです。集団によるいじめにすぎないことは、彼らも本当は知っているはずです。

いじめの場としてだけでなく、携帯電話で撮影したわいせつな画像が多く登場することも学校裏サイトの特徴となってしまっています。


大人になって、子ども時代にしてきた自分のバカげた行為を悔やむことは誰しもあるでしょう。すでに大人となっている人間にとっては、携帯電話やPCといった現代のツールが中高生時代に登場していなかっただけのことかもしれません。

Tアイコン   時代背景は確かに一因でしょうが、そのせいばかりにもしていられませんね。携帯電話各社も「フィルタリング」サービスを行うようになってきました。これもまた時代が生んだサービスです。親がしっかり調べて利用を決めることが必要になってきたのではないでしょうか。


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